近年、オンライン塾・教室の需要が高まっています。
インターネットが普及したおかげで、物理的に教室に通わなくても先生の授業を受けることができるようになりました。
2019年末から続いているコロナウイルス対策としても、オンライン授業などの技術は生かされています。
コロナ禍における緊急事態宣言の発令で、既にオンライン教育を検討しているもしくは導入した教室も多いでしょう。
また、教室をオンラインのみで始めるという方もいるでしょう。
今回は、新たな時代の始まりとして、オンライン塾の作り方を1から解説したいと思います。
インターネットを使った起業・開業には、オフラインにはないメリットがあります。
時代に乗り遅れないためにも、ぜひ一度この記事を読んで検討してみてください。
そもそもオンライン塾とは?素人でもネット起業できるのか?
オンライン塾とは、インターネットの技術を利用して遠隔で授業を行う塾のことを言います。
いわゆる通信教育や教育放送(テレビ)とは違い、リアルタイムで双方向性の指導を行うのが特徴です。
また、先生と生徒が1対1で行う個別指導と1対多数で行うグループ指導があります。
つまり、普通の塾と同じような授業をオンラインで行うことができるということです。
とは言っても、「私はインターネットとかよくわからないから…。」とお悩みの方も多いでしょう。
オンライン塾を立ち上げること自体はこの記事の通りに進めていけば、そこまで難しいことはありません。
ただし、オンラインでオフラインの授業の質を保つのは難しくなります。
画面上で、生徒さんの反応や感情の機微を感じ取ったり、円滑なコミュニケーションを取ったりするのは、慣れてくるまでお互いに時間がかかるからです。
だから、最初は1対1の指導から行い、慣れてきたら徐々に集団授業などを設けるといいでしょう。
このように、オンライン塾は指導面において一定の難しさはあるものの、誰でも簡単に取り組み始めることのできるものなのです。
塾のオンライン化のメリット・デメリットとは?
では、次にオンライン塾を開くメリット・デメリットについて解説しましょう。
オンライン塾のメリット
- 初期費用など開業資金があまりかからない。
- 自宅など、どこからでも授業を行うことができる。
- いつでも授業を行うことができる。
- 教室の賃料などの固定費がかからない。
- 損益分岐点が低く潰れにくい。
- 校舎の場所の選定などの手間がかからない。
- 生徒数を際限なく増やすことができる。
オンライン塾のデメリット
- 慣れるまで生徒さんとのコミュニケーションが難しい。
- 教室としての一体感が出ず、コミュニティーになりにくい。
- 双方向性を意識しないと一方向のコミュニケーションになりがち。
- コストがかからないため、いつまでも続けられてしまう。
- ジャンルによってはオンラインで授業することが難しい。
オンライン塾とオフライン塾の大きな違いは、「場所と時間」、「初期費用と固定費の金額」です。
場所と時間に縛られずに授業ができること、初期費用や固定費があまりかからないことは経営上大きなメリットでしょう。
しかし、その裏返しがデメリットとして存在することを忘れてはいけません。
だから、僕はメリットを存分に生かせるオンライン塾の作り方をすべきだと思うのです。
ネット起業・開業のすすめ!オンライン塾の作り方
オンライン塾のメリットを生かした作り方のポイントは「スピード感」です。
オフラインの塾は、箱(教室)を持つ必要があるため、どうしても重たくなります。
だから、オンライン塾は、開業・運営にスピード感を持つことが必要なのです。
では、インターネットを使ってどのようにオンライン塾を作ればいいのか、手順を解説していきましょう。
オンライン塾の作り方1 コンセプト設計
最初に、塾のコンセプトを決めましょう。
これはオンライン・オフラインに関わらず、塾の軸となる部分なので、きちんと定めるようにしましょう。
「こんな塾にしたい!」というイメージが明らかであればそれを文章で書き出してみることをおすすめします。
そのときのポイントは、身近な人を1人ターゲットとして設定し、その人に刺さるようなコンセプトを作り上げることです。
そうすることで自分の想いばかりで誰にも需要のない塾になってしまうリスクを回避できるでしょう。
例えば、料理教室をやるならば「仲の良いママ友」を思い浮かべて、どんな教室がママ友に喜ばれるのかをイメージしてコンセプト設計をするのです。
もし、ターゲットやコンセプトが具体的に思い浮かばない場合は、先に次に解説するマーケティングを行うと良いでしょう。
オンライン塾の作り方2 マーケティング/集客
次に、マーケティングを行いましょう。
マーケティングというと広義になってしまいますが、ここでは「あなたの塾を自然と選びたくなるサービス設計・情報発信を行うこと。また、常にそれらの試行錯誤を繰り返すこと。」と定義します。
コンセプトを決めたら、次に「市場調査」、「サービス設計」、「情報発信」、「効果測定」を行いましょう。
まずは、あなたのやりたい塾の市場にはどのようなニーズがあるのかを調べましょう。
調査方法としては、検索やSNSを使ったり、アンケートを取ったりすると良いでしょう。
塾のコンセプトとターゲットが何を求めているのかがわかったら、次にサービス設計を行いましょう。
サービスは、ターゲットが使いやすいものである必要があります。
人気のある塾を参考にしながら、通いやすい教室になるように設定を心がけましょう。
サービス設計ができたら、次に情報発信を行いましょう。
ブログ・ホームページ・SNSを利用して、情報発信を行うことでターゲットに存在を知ってもらうことができます。
特にオンライン塾は実店舗がない分、ネットを使った情報発信に力を入れる必要があるでしょう。
最後に、これらの効果測定を行いましょう。
「提供しているサービスが、ターゲットのニーズを掴めているのか」、「塾の情報がターゲットに届いているのか」をきちんと測定しましょう。
マーケティングについては詳しく解説した記事があるので、下記の記事を参考にしてみてください。
オンライン塾の作り方3 開業・起業の資金調達
次に、開業にかかる初期費用を調達しましょう。
オンライン塾は、普通の塾開業に比べるとかかる費用は大幅に少なくなります。
そのメリットを生かして、なるべく初期費用をかけないように心がけましょう。
かかるとしてもパソコン・タブレットなどの機材と備品代程度で、どれもスペックは普段使いするものと同じで大丈夫です。
ここでハイスペックなものを購入して無駄にお金を使わないようにすべきです。
基本的には、開業資金は自分の預貯金から出すようにしましょう。
パソコンやタブレットは10万円前後で購入できますし、備品に関してもネットで探せば安く仕入れることができます。
それすら出せないくらいの経済状況ならば、まずは自己資金を貯めるためにアルバイト等でお金を稼ぎましょう。
この段階で、銀行や金融公庫からの借入れをする必要はほぼないです。
自己資金でやってみて成果が出たら次の資金を投入するくらいのイメージで余裕をもっておきましょう。
オンライン塾の作り方4 機材・備品準備
塾の概要が決まったら、機材や備品の準備をしましょう。
モノによっては納品まで時間がかかるケースがあるので、1〜3と並行して調査をしておくとスムーズです。
先の資金調達の項でも述べましたが、なるべく安く済ませられるように心がけましょう。最初からハイスペックなものは必要ありません。
必要な機材としては、パソコン・タブレット、Wi-Fiルーター(インターネット環境)、ウェブカメラ(PC等についている場合は不要)、イヤフォン・ヘッドフォンが挙げられます。
必要なアプリケーションとしては、Zoom、Skype、FaceTime、LINEなどのコミュニケーションツールが挙げられます。
このように、オンライン授業だからといって、特別な機材やソフトウェアを用意する必要はありません。
自分が使いやすいものを選んで使うようにしましょう。
オンライン塾の作り方(おまけ) 開業届等の手続き
一般的な起業というと、個人事業主の開業届の提出や会社設立の登記が必要です。
個人事業主であれば管轄内の税務署、会社であれば法務局への申請が必要です。
個人事業主の場合は、開業届については提出は義務ではなく、事業を開始してから1ヶ月以内に提出することが推奨されています。
提出しないことによる罰則はありませんが、届出をしないと税務上有利な青色申告で確定申告をすることができないので、開業届と青色申告承認申請書の提出はしておいて損はありません。
会社を設立する場合は、登記を行う必要があります。
登記をするには、会社登記申請、定款作成、印鑑証明書の取得、代表者印の準備などの作業をする必要があります。
もちろん、自分自身でこの作業を行うこともできますが、税理士などに頼んで会社設立を行うのもひとつの手です。
その場合の費用は30万円弱で、自分自身で行う場合(25万円程度)と比べて5万円の差なので、検討しても良いでしょう。
このように、個人事業主であれば開業届(と青色申告承認申請書)の提出、法人であれば登記に関する書類の提出とそれに伴う作業が必要になるのです。
最近は、クラウド会計ソフトで会計(確定申告や納税)だけでなく開業・登記に必要な書類作成を無料でできるようになっています。
特におすすめは、僕も個人事業主時代に使っていたマネーフォワードと、業界最大手のfreee
です。
ぜひ登録無料で便利なサービスなので使ってみてください。
まとめ
オンライン塾は、リモートワークと同じようにコロナ禍によってさらに普及していくでしょう。
そのため、既に塾を運営している方もこれから塾を始める方も、オンラインの可能性を検討しておくことをおすすめします。
マーケティングの項でも述べたように、塾は常にアップデートされていかなければなりません。
それはオンライン・オフラインに関わらず必要なことです。
常になにか新しいことにチャレンジをしているか。
それを問い続けることが、人気の塾になるために大切なのです。
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