学習塾の始め方は大きく分けて2つの方法があります。
それは「起業」もしくは「フランチャイズ(FC)」です。
前者は教材・運営ノウハウなどをすべてゼロから自分で作り上げる方法で、後者は既存の認知度や人気の高い塾が用いる運営方法を踏襲して塾を開く方法です。
今回は、実際に寄せられた「公文のフランチャイズ教室なのに生徒が集まらない…」という相談を元に、塾の開業・集客・経営における「起業」と「フランチャイズ」のメリット・デメリットを比較し、どちらの方法が良いのか考えたいと思います。
きっとこの記事を読んでいるあなたは、自分で塾を開業するのに「起業」と「フランチャイズ」どちらが良いかを迷っているでしょう。
どちらにも良い面と悪い面がありますが、自らの目的に合った方法を選ぶことが重要です。
そのヒントを得るために、この記事を読み進めてください。
公文式の教室を始めたのに生徒が全然集まらないのですが…
これは実際に公式LINEに寄せられた相談です。(相談等は公式LINEから受け付けています!)
これから塾を始めたいと思っている方には重い話かもしれませんが、自分が塾のオーナーになったつもりで読み進めてみてください。
この相談には、フランチャイズ(FC)で学習塾をやるメリット・デメリットが詰まっているため、許可をとって掲載させてもらいました。
私は、50代前半の主婦です。子育ても手がかからなくなってきたので、思い切って今年の春から公文式の教室をフランチャイズではじめました。
最初は自宅で家庭教師や個別指導塾をこじんまりと始めようかとも考えたのですが、さまざまなサポートが受けられる公文のフランチャイズを選ぶことにしました。
教室開業にかかる費用や最初の数年間の売上の援助などが豊富で、公文を選んだことに後悔はありません。
正直、ずぶの教室経営素人の私からすると、とても助かっています。
ただ、想像以上に公文というブランドがあっても生徒集めに苦戦しています。
教室を始める前から話には聞いていましたが、これほどか…と多少落胆している自分もいます。
生徒数・売上共に当初の計画からはかけ離れた数字になってしまっています。
どうすればこれから教室の集客力をアップすることができるのでしょうか?
では、具体的に「フランチャイズ」と「起業」における開業・集客・経営について比較し、最後にどちらを選ぶべきなのかを考えていこうと思います。
フランチャイズ・起業の学習塾開業について
学習塾開業については、フランチャイズの方がハードルが低いといえるでしょう。
多くのフランチャイズが開業支援や立ち上げ後数年間の売上補填など、初心者でも教室をはじめやすい仕組みをつくってくれています。
また、さまざまなノウハウが蓄積されているため、指導や運営においてもサポートを受けることができます。
本部としてはフランチャイズによって低リスクでたくさんの教室を世に出すことができるため、教室を始める人にとっても本部にとっても開業についてはウィンウィンだと言えるでしょう。
ただし、自分で起業する場合であっても、最初はごく小規模から始めて固定費を最低限に抑えれば、支援を受けられるフランチャイズと同じくらいはじめやすいのも事実であることはお忘れなく。
結論:塾開業については「フランチャイズ」の勝ち
フランチャイズ・起業の学習塾集客について
学習塾集客については、フランチャイズとゼロイチにそこまで大きな差異はないといえるでしょう。
先に例で挙げた通り、フランチャイズであっても集客力に大きな効果をもたらさないケースもあります。
もちろん、ネームバリューのある塾のフランチャイズであれば認知度を生かして、最初の生徒募集はしやすいかもしれません。
しかし、何年間も教室運営を続けていけば、「有名塾のFCだから生徒が集まる」のではなく「その教室だから生徒が集まる」という構造に変わっていきます。
大手の塾でも「〇〇校舎は良いけど、××校舎はダメ!」と言われるように、その塾だからというよりもその校舎だから、もっといえばその先生だから生徒が集まるというのが塾の集客です。
つまり、フランチャイズだから集客は安心ということはなく、教室をやるとなれば有名無名問わずすべての教室が横一線に並ぶことになるのです。
結論:学習塾集客については「フランチャイズ」と「起業」に差なし
フランチャイズ・ゼロイチの学習塾経営について
学習塾経営については、起業の方に部があると言えるでしょう。
開業の際に述べたようにフランチャイズは教室を始めてから数年間の援助があるものの、FCであり続ける限り売り上げに応じてロイヤリティーを支払わなくてはいけなくなります。(ロイヤリティーは、ほとんどのFCで公表されていませんが10〜40%前後であることが多いようです。)
最初の契約でFCからの独立について取り決めがなされていることもあり、「FCでうまくいったから独立しよう!」と簡単にはできないようになっているケースが多いです。
もちろん、開業時にさまざまな手助けをしてもらっているのだから、その対価として売り上げを歩合で分けるというのは真っ当にも感じます。
しかし、頑張って教室を拡大すればするほど、そのロイヤリティーの額も増え、なんだか頑張っているのがばからしくなることも多いです。
また、ゼロイチ起業と比較すると教室運営の自由度は低く、さまざまなルールに縛られ自分の思い通りの教室運営をできないことも念頭に置いておくと良いでしょう。
結論:学習塾経営については「起業」の勝ち
学習塾を始めるならフランチャイズ・起業どっちがいいの?
結論から述べると、「フランチャイズ」と「起業」はどのような目的で教室を運営するかによって選ぶべきだと思います。
下にそれぞれのメリット・デメリットをまとめました。
なんといってもフランチャイズの良さは「教室の始めやすさ」です。
開業の援助や運営のサポートがあるため、始めるためのハードルはとても低くなります。
しかし、開設料やロイヤリティーなどの支払いや、本部の指示に従う必要があることから、経営面の自由度は低くなります。
一方で、学習塾を0から起業する場合、開業準備や開業直後のハードルは高いですが、自分で創意工夫をして教室経営を行うことができます。
そのぶん経営者としてのスキルアップや将来の自由な展開が見込めるでしょう。
つまり、「副業やアルバイトのように家計の足しとして学習塾やってみたい!」という方にはフランチャイズがおすすめですが、「事業として学習塾をやりたい!」という方には起業がおすすめだと言えるでしょう。
もし、フランチャイズに興味のある方は、フランチャイズ比較サイトフランチャイズの窓口を覗いてみてください。
フランチャイズ学習塾のメリット・デメリット
【メリット】
- 開業時にさまざまなサポート(資金援助・開業ノウハウの共有など)を受けることができる。
- FC本部の権威性を持って集客をできる。
- その他塾運営に関わるさまざまな情報を共有してもらえる。
【デメリット】
- 開設費用・ロイヤリティーなどを本部に収める必要がある。
- 学習塾運営の自由度が低い。
- 契約上、独立が難しい。
学習塾起業のメリット・デメリット
【メリット】
- 全てにおいて自由度の高い運営ができる。
- 0から1つの事業を作り上げる能力を身につけることができる。
【デメリット】
- 教室運営のノウハウがないと難しい。
- ある程度の開業や運転資金を用意する必要がある。
まとめ
このように学習塾を行う目的に応じて2つの起業法をつかいわけると良いでしょう。
ただ、僕個人としては、フランチャイズでやるなら自分でやればいいのにと思ってしまいます。
確かにフランチャイズの始めやすさは魅力的です。
しかし、継続的に教室として生き残るかどうかはフランチャイズであろうが個人であろうが関係ないです。
また、そのように考えるとFC教室を運営し続ける限り発生し続けるロイヤリティーは、とても大きな負担になります。
つまり、自分でゼロイチでやってダメならフランチャイズでやっても、ダメになるのは時間の問題だということです。
もちろん、これは個人の意見でしかありませんので、フランチャイズか起業か、どちらが自分の目的に合っているのかを考えて選ぶようにしましょう。
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