今年ももう年末が見えてきました。
個人事業主の方はご存知の通り、確定申告の準備をする時期になってきました。
確定申告は、1年間の所得税の精算を行うための手続きなので、必ず行わなければなりません。
2022年(令和4年)の確定申告期間は、2月16日(水)~3月15日(火)です。
確定申告をして納税する必要のある人は、原則この期間内に確定申告をしなくてはなりません。
今回は、学習塾の確定申告のやり方として、税理士に頼むのと自力でやるのどちらが良いのか、また自力でやる場合の手順について解説したいと思います。
「この記事さえ読めば教室の確定申告がわかる!」というところまで書き込むので、ぜひ最後まで読んでいってください。
個人事業主の塾の確定申告は自力で青色申告がおすすめ!
先に結論から申し上げるなら、教室の確定申告は自力で行うことを強くおすすめします。
また、青色申告承認申請書を提出し、白色申告ではなく青色申告をできるようにしておくべきでしょう。(開業届を提出する際に一緒に出しているケースも多いので、手元の控えを確認しましょう。)
その理由としては、以下の通りです。
- 税理士の顧問料や決算申告料を支払わなくて済むから。(年間にかかる金額をならすと月平均4〜7万円程度)
- 塾の収入と経費の件数=伝票の数や種類はほぼ毎月同じだから。
- 塾の収入と経費にはそこまで難しい仕訳はないから。
- 確定申告についてわからないことは調べれば必ず出てくるから。
- 会計ソフトを使えば、伝票を打ち込むだけで必要書類が全て作成できるから。
要するに、塾の確定申告ぐらいなら税理士さんを雇うのはもったいないということです。
塾の教室数や先生数が増えてきたら税理士さんに依頼するのもアリですが、基本的には自分で会計ソフトを使えばできます。
僕は、現在でも自分が経営するテニスクラブの会計を会計ソフトを使って行っています。(ちなみに、今は弥生会計クラウド、個人事業主の頃はマネーフォワードを使っていました。)
学習塾の確定申告を自分でやる方法とその手順とは?
では、ここからは自力で塾の確定申告をするための手順を解説したいと思います。
確定申告は、準備3割・仕訳3割・チェック3割・申告書作成1割くらいの配分で労力がかかります。
なるべく早めに始めて、余裕をもって申告期間を迎えられるようにしましょう。
塾の確定申告を自力でやる手順 準備
まず、確定申告をはじめるには「会計ソフトの登録」と「収入・経費関係の書類の収集」が必要です。
前者については、先に紹介したページの3つから気に入ったものを選べば間違いありません。正直、どれもサービスとしては大差ありません。
なので、まずはチャチャっと登録を済ませてしまってください。
会計ソフトの登録を済ませたら、その年の1月1日〜12月31日に発生した収入と経費に関する書類をひと通り集めましょう。
そして、通帳と見比べながら収入・経費の書類を時系列順に整理しましょう。
その際に、誤って経費以外のものが混ざっていた場合はチェックをしておきましょう。仕訳をする際に経費から除く必要があります。
量が多い場合は、各月毎にファイルにまとめるなどしておくと、今後の作業がスムーズになるでしょう。
塾の確定申告を自力でやる手順 仕訳
次に、集めたデータを会計ソフトに入力していきます。
最初に、会計ソフトに事業者情報などを登録し、期首(その年の1月1日)の会計情報を入力します。
情報の入力が終わったら、先ほど集めた収入と経費の仕訳を行います。
仕訳とは、その収入や経費がどの勘定科目にあたるのか、どこからどこへお金が流れているのかを示す作業です。
例えば、ホワイトボードのペン(100円)を現金で買った場合は、「借方)消耗品費 100 / 貸方)現金 100 摘要)ホワイトボードペン」というように仕訳をします。
これは、「ホワイトボードのペンは経費の中で消耗品にあたり、それを教室の現金で購入しました。」という意味です。
この作業を1年分の収支データに対して行うだけです。
きっと初めての方は「この経費はどの勘定科目に分類されるんだろう?」、「これはどうやって仕分けすればよいんだろう?」と悩むこともあると思います。
そのときには、Googleの検索窓に「〇〇 勘定科目」、「〇〇 仕訳」と打ってみてください。ほぼ必ず検索結果として出てきます。
まずはすべての収支データをガンガン打ち込んでいってみてください。
塾の確定申告を自力でやる手順 チェック
次に、入力した会計データのチェックを行います。
仕訳帳・補助元帳・残高資産表などを見て、仕訳忘れや数字的におかしいところがないかをチェックしましょう。
例えば、数字的におかしいというのは、
- 期末(12月31日)の実際の現金や預金の金額と残高資産表の金額が異なる。 → 仕訳の過不足がある もしくは 金額の入力ミスがある
- あり得ないところにマイナスの数字が出てくる。 → 借方/貸方が逆になっている もしくは 金額の入力にミスがある
- 期中に消えるべき数字が消えていない。 → 借方/貸方が逆になっている もしくは 金額の入力にミスがある
などが挙げられます。
これらのミスはひとつひとつ解消していきましょう。
該当する仕訳を仕訳帳で絞り込み、間違った仕訳が行われていないかをひとつずつチェックします。
間違っても一気に解消しようとしてはいけません。結局、何が間違っているかがわからなくなり時間をロスしてしまうからです。
1年分のデータを入力していれば、ほぼ必ずミスは出るものです。
だから、焦らずにチェックを行いましょう。
塾の確定申告を自力でやる手順 確定申告書の作成
最後に、確定申告に使う書類を作成します。
会計ソフトを使っていれば、青色申告決算書が自動で作成されます。
基本的には、会計ソフトの指示に従って、必要な情報を入力すれば完了です。
例えば、確定申告では、事業と個人の状況(生命保険料の支払いや扶養の状況など)をあわせて記載して申告します。
その際に必要となる書類は、
- 給与を受け取っていた場合、源泉徴収票
- 年金や健康保険などの社会保険を支払っていた場合、支払い証明書
- 地震保険料や生命保険料を支払っていた場合、支払を証明する書類
などになります。
これらの情報を打ち込めば、申告書の作成は完了です。
塾の確定申告を自力でやる手順 申告書の提出・納税
申告書が出来上がったら、申告期間内に申告書を提出して、算出された所得税額を納付します。
管轄の税務署に持参し提出するか、e-Taxや各会計ソフトのアプリケーションを使って電子申告を行います。
令和2年分以降の所得税からは青色申告の控除額が電子申請でなければ満額(65万円)受けられないようになりました。
つまり、会計ソフトを使って申告書を作成したら、電子申告で確定申告を行うのが最も賢いやり方だということです。
申告書の提出が完了したら、納税を行います。
口座振替(要手続き)、電子納税、クレジットカード納税、QRコード納税、金融機関・税務署窓口で現金納付など、様々な支払い方法があります。(詳しくは国税庁ホームページに掲載されています。)
間違いなく書類の提出と納税を行い、会計の元データ(領収書や請求書など)は大切に保管をするようにしましょう。
まとめ
僕は、少なくとも最初の1回くらいは確定申告を経験しておくべきだと思っています。
なぜなら、確定申告をすることで収支の改善点を細部まで見直すことができるからです。
また、1年間のお金の流れを学ぶことで、2年目以降の塾経営に生かすことができます。
それらを知った上で税理士に依頼するのと、知らずに税理士任せにしてしまうのでは、経営力に大きな差が出てくるでしょう。
ぜひ自力で会計ソフトを使って仕訳や申告書の作成をしてみてください。
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